滝沢歌舞伎 やぐらのお七

2023年4月30日 滝沢歌舞伎ZERO FINALを新橋演舞場で観劇いたしました。
滝沢くん、ジャニーさん、Snow Manのみなさん、これまで出演されたみなさん、スタッフのみなさん、18年の長きに渡り本当にありがとうございました。

初めて観劇したのは2007年の滝沢演舞城でした。
滝沢歌舞伎は、2010年以降のすべての年を観劇いたしました。
Snow Manは、ジャニーズジュニア時代からこの作品に携わり、2019年に主演を引き継ぎました。
そして、2023年4月30日 滝沢歌舞伎の幕を閉じました。
進化を続け、継承された素晴らしい作品を観劇できたこと、心より感謝いたします。
個人的には、Snow Manはこの舞台で生まれ、育てられてきたといっても過言ではないと思います。

滝沢歌舞伎:演目『お七』佐久間くんを2010年から振り返る

観劇した15年分の思い出が多すぎて、言葉に尽くせないものがありますが、
ここでは佐久間くんが滝沢歌舞伎ZERO FINAL memoriesで演じた『やぐらのお七』思い出を綴ります。
なぜこんなに佐久間くんの『お七』役が感慨深いのか、お伝えできれば幸いです。

過去の作品でお七を演じたのはもちろん、滝沢秀明さんです。
当時は、『滝さま』と呼んでいましたので、当時の呼び方で書きます。

滝沢演舞城2008から登場したお七

『やぐらのお七』は滝沢演舞城2008から演目にあります。
自分の記憶にあるのは滝沢歌舞伎2010@日生劇場からです。
2010年、当時17歳の佐久間くんもこの演目に出演しています。

滝さまが演じるお七の演技が胸に迫り、気づけば涙が流れていました。
人形浄瑠璃から始まり、歌舞伎の人形振りに変わる演出が素晴らしいです。
滝沢歌舞伎のなかでも大好きな演目です。

滝沢歌舞伎の『やぐらのお七』あらすじ

お七は、恋人の吉三郎が、『明日にも切腹せよ』と命じられたとの知らせを受け、嘆き悲しむ。
吉三郎は主君の宝刀を見つけられなかった責めを負うというのだ。

偶然、その宝刀のありかを知ったお七は、なんとしても会って知らせたいと思う。
しかし、もう午前0時の鐘が鳴る時刻
町の木戸が閉まっていて知らせに行くことができない。
今夜のうちに宝刀を届けなければ、愛する人の命はない。
羽がほしい。飛んでいきたい。
お七の魂が叫ぶように身を震わせる。

ふと、お七は目の前の火の見櫓(ひのみやぐら)に気づく。
この太鼓(半鐘)を打てば、火事の知らせとなり、町中の木戸がひらくはず。
そうなれば吉三さんの元にかけつけることができよう。
この半鐘を打てば死罪
お七は死を覚悟して、やぐらに上り半鐘を打つ。
吉三さんをお助けしたい。
この命に代えても。

※このあらすじは個人の解釈です。
お七の筋書きは、文楽・歌舞伎など幾つもあります。
滝沢歌舞伎は『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)櫓(やぐら)のお七』におおむね倣っていますが、この場面は雪の降る夜で、炎は描かれていません。炎を表現する演出は、滝沢歌舞伎で加えたものだと思います。

ラストシーンで舞台は赤く染まり、町は炎に包まれます。
お七は半鐘を打ち鳴らし、悲しい運命に身を投じていきます。
滝さまのお七は、とてもせつなく、美しくて…
恋に狂ったというお七とは少し違うイメージでした。
「命に代えても」最後の言葉が胸に刺さります。
女の情念というよりも、一途な愛を感じました。

滝沢歌舞伎『やぐらのお七』2010年-2012年、2015年の佐久間くんの出演シーン

演目は、人形浄瑠璃から始まります。
人形を操る黒子役は、2010年は現ふぉ~ゆ~の松崎くん、福田くん
2012年には、現Snow Manの岩本くん、宮舘くんが黒子役を引き継いでいるのもみどころです。
当時は、年を追うごとにSnow Manの担うお役目が少しずつ大きくなっていくのが本当にうれしかったです。

舞台中央には火の見櫓(ひのみやぐら)が組まれています。
やぐらの周りには、赤い衣装に身を包み、燃えさかる炎に見立てた赤い布をゆらすジュニアがいっぱい。
佐久間くんはどこに?初見は探すのに必死でした。
この演目で佐久間くんは、やぐらに上ったお七の衣装の、長い『すそ』引いて広げるという大事なお仕事を任されていました。
衣装のイメージは、紅白歌合戦の演出で使われるような巨大なスカートです。
Snow Manより先輩のジャニーズジュニアがたくさん出演していた2010年、They武道(当時のジャニーズジュニア内ユニット)の山本亮太くんとシンメでこのお役目をいただいて、とても感激しました。

この衣装の『すそ』を引くお仕事が簡単そうに見えて、そうではなかったのです。
逆サイド(下手側)で同じ動きをする山本亮太くんとタイミングをはかり、衣装の『すそ』をもって舞台上手の前方まで走ります。
富士山のようなシルエットできれいに広げると、ただちに舞台後方にもどり、最後のポーズを決めなくてはなりません。
2010年は、『すそ』が手早く広がらない日もあって、観劇するたびにハラハラ、ドキドキしていました。
2015年になると、やぐらの下段から飛び降りながら『すそ』を引き広げ、カッコよく最後のポーズを決めていました。
この時も佐久間くんの成長がとても嬉しかったのを覚えています。
お七の衣装の『すそ』を手に懸命に走っていた佐久間くんが、滝沢歌舞伎ZERO FINALではお七の役を!
滝さまが演じていた役を引き継いでいるなんて、聞いただけで涙がでました。

滝沢歌舞伎ZERO FINAL memories『お七』

演目:Memoriesは過去の滝沢歌舞伎の思い出深い場面が短い時間にいくつも詰め込まれています。
お七は最後のシーンだけが描かれていました。
過去作にあった人形浄瑠璃の場面はありません。
お七は髪をおろして、やぐらの下にはりつけのような状態で登場します。
歌舞伎の人形振りとわかる振付が一瞬だけありました。
屈んで頭を上げ下げして長い髪を振りながら進む、人形のような動きです。
舞台中央で舞い、片袖を抜いてやぐらに上ります。
わずかな時間で、着物のすそがはしごにからまないよう、補助をうけながら上っていきます。
やぐらの上にたつと、すそを落とし、祈るように両手を合わせます。

このとき衣装の『すそ』(大きい赤布)をもって舞台前方まで走ってくれるジュニアがいました。
かつて佐久間くんが担っていたお役目です。

自分の目では確認できませんでしたが、松尾龍くんだったようです。
走ってくれた龍くんありがとうございました。
長い間ジャニーズジュニアを応援してきた身としてはとても感慨深いです。

お七を演じる佐久間くんの姿
お七が半鐘を打つ姿は美しく、目には凛とした強さを感じます。
瞬く間に終わってしまう場面でしたが、念願叶って幸せでした。
今回の滝沢歌舞伎ZERO FINALをぜひ円盤化していただきたいと切に願います。

『お七』の演目がある滝沢歌舞伎

公 演映像化お七人形浄瑠璃黒子
滝沢演舞城08・命(LOVE(2008)DVD滝沢秀明 
滝沢演舞城09(タッキー&LuckyLOVE(2009)なし滝沢秀明 
★滝沢歌舞伎(2010)DVD滝沢秀明福田悠太・松崎祐介
★滝沢歌舞伎2011なし滝沢秀明福田悠太・松崎祐介
★滝沢歌舞伎2012DVD滝沢秀明岩本照・宮舘涼太
★滝沢歌舞伎10th Anniversary(2015)DVD滝沢秀明岩本照・宮舘涼太
★滝沢歌舞伎ZERO FINAL(2023) 佐久間大介なし

※敬称略 ★は佐久間くんが出演していた作品 

2023年4月現在、佐久間くんが『お七』の演目に出演している映像作品は、滝沢歌舞伎2010滝沢歌舞伎2012滝沢歌舞伎10th Anniversaryの3つ。『お七』での佐久間くんの役割は3つともほぼ同じです。
滝さまの『お七』はどの作品も切なく美しいです。
Snow Manの存在感は年を追うごとに増していくので、全体でみると3つのなかでいちばん出番が多いのは10th Anniversaryです。

滝沢歌舞伎2010

前身ユニット、Mis Snow Manとしての出演
『お七』の演目に佐久間くんが登場するのはこの年からです。
2幕の平将門では、武士の役に抜擢され、台詞もありました。
先輩ユニットや小さいジュニアの子たちもたくさん出演しています。
全体の流れが速いので佐久間くんを含め、現SnowManのメンバーはスロー再生で探さないと見つからない場面も多いです。17歳の佐久間くんがこの作品をになう一人として、舞台に立っていたことは今でも忘れられない思い出です。

滝沢歌舞伎2012

こどもの日公演でSnow Manのグループ名を取り戻した大切な作品
『お七』の演目は、この年の浄瑠璃の語りが切なくて、お七の哀しいさだめを感じます。
語りは2010年に引き続き、当時ジュニアだった今野くん、三味線は同じくジュニアだった村治くんです。
人形浄瑠璃の黒子役は宮舘くんと岩本くんがつとめています。
佐久間くんは、2幕では2010年と同じ役で台詞が増え、滝さまとの4Dフライングでも活躍しています。
全体では、のちにジャニーズWESTとしてデビューする関西ジュニアの役割が大きいです。

滝沢歌舞伎10th Anniversary

Snow Manは、主演の滝さま、薮くん、北山くん(河合くん)をサポートするお役目をいただいていて見どころがたくさん。この年はシンガポール公演がありました。『お七』の演目は、人形浄瑠璃の語りが英語です。
なんといってもこの年の見どころは、滝沢歌舞伎ZEROに引き継がれた『組曲』です。

組曲についての詳細はこちらの記事にあります↓
Snow Man初主演 滝沢歌舞伎ZEROのベストシーンは

2010年『やぐらのお七』の佐久間くんの立ち位置など当時のメモ(記録)

記録として残します。
過去のDVDで佐久間くんを探すときに、参考になればと思います。

2011、2012年も佐久間くんの立ち位置や動きはほぼ変わりません。
2015年は少し立ち位置が変わりますが役割は同じです。

※下の図Aと合わせてご覧ください。
図はおよそイメージで正確な位置ではありません。

  • お七の後ろ、滝沢歌舞伎の幕が落ちる
  • 舞台後方に赤い布をはためかせるジュニアがいっぱい(JAEさんもいる)
  • 次々とアクロバティックに前に飛び出す
  • 佐久間くんは下手側のセンターから二人目ぐらいのところ➡図Aの①
  • 上手側の人たちがそろって側転し、両手を広げ、足を開いた姿勢でかがむ
  • 続いて、下手側の人たちが同じ動きをする
  • 佐久間くんはやぐらの左(客席からみて)に立つ➡図Aの②
  • 両手にもった細長い赤布をはためかせながら走る
  • 細長い赤布を新体操のリボン演技のように動かす
  • 複数の人が同じ動きで円を描くように舞台上を周る
  • 佐久間くんは、張り出した舞台前方の中央先端でかがむ➡図Aの③
  • 膝をつき背中を反らしながら両手で布をはためかせる
  • リンボーダンスでくぐる人みたいな姿勢
  • お七が佐久間くんの目の前にいる

※下の図Bと合わせてご覧ください。
図はおよそのイメージで正確な位置ではありません。

  • お七が舞台後方に向かう
  • 佐久間くんは舞台前方の中央先端で、客席に背中を向け赤布を大きく左右にふり続ける
  • やがて佐久間くんもやぐらに向かって走る
  • 途中で岩本くんに両手に持っていた赤布を渡す
  • やぐら下段右側(客席から見て)に乗る➡図Bの④
  • やぐらに乗るのは4人で、佐久間くんの左側は山本亮太くん
  • お七がやぐらの上段に上る
  • やぐらが回りはじめ、クライマックスが近づく
  • お七の感情の高まりとともに音楽も高まる
  • 下段に腰掛けた4人は、背中を外側におおきく反らす
  • やぐらの回転がとまる
  • 佐久間くんは、お七の衣装のすそに見立てた長く赤い布を手に、舞台上手の前方へ走る➡図Bの⑤
  • 逆サイドでは亮太くんが同じように下手の前方に向かって走る
  • すそが広がると、やぐらが舞台後方に動き、巨大なすそをひいていく
  • やぐらが動くと、佐久間くんは舞台上手後方の立ち位置へ走って戻る➡図Bの⑥
  • 最後のポーズ顔は正面、上半身を上手側に向け、右手を前にだし、左手後ろに引いて上に伸ばす

観劇当時のメモと映像を見返しつつ、記憶をたどりながら書きましたが、年月が経過しているので記憶違いもあるかもしれません。
たくさんのジャニーズジュニアのひとりとして、頑張っていた佐久間くんの姿をぜひDVDで見つけてください。

ミニマリストになりたいジャニヲタです。 大切な思い出とともに、たくさんの物があふれています。 ひとつずつ記していけば執着を手放せるかもしれない…そんな思いで綴っています。

関連記事